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ピルは妊娠を回避するだけじゃない!?

2020年01月24日
微笑む女性

妊娠を避ける避妊用薬剤として、低用量ピルが日本で使用可能になったのは1990年のことです。低用量ピルには、エストロゲンと黄体ホルモンといった2つの女性ホルモンが含まれています。エストロゲンは卵胞ホルモン、黄体ホルモンはプロゲステロンとも呼ばれます。

1日1錠の服用を毎日決まった時間に継続することで、避妊確率はほぼ100%になると言われています。エストロゲンの含有量により、高用量・中用量・低用量・超低用量に分類されます。用量が多い方が効果が強いと思われがちですが、そうではありません。

用量が多くなると、それなりに副作用も出やすくなります。副作用は成分が作用している証拠ですが、あまりにひどくなる場合は悪影響でしかありません。その反面、用量が少ない方は副作用がほとんど現れないようにできています。一般的に避妊目的で使うのは低用量から超低用量なので、副作用に悩まされる確率も以前より大分減っています。

ピルは一般的に避妊目的の薬でしかないと思われがちですが、他にもあらゆる目的で用いられます。女性ホルモンを含む薬なので、女性機能に関する予防や緩和を目的として処方されることも多いです。たとえば月経痛を緩和する作用、そして生理不順解消・ニキビ対策・多毛症治療・月経コントロールにも役立ちます。

ピルの効果は妊娠しないようにするだけではなく、月経がある女性なら一度は感じたことのある生理不順・月経痛・PMS・ホルモンバランスによるニキビなどの予防・緩和・改善にも作用します。また、月経コントロールにも使われます。ピルを使えば、今来てほしくない・今来てほしいといった月経日の調節が行えるということです。

多毛症の治療に関しては、それが生じた原因によりピルが有効になります。また、多毛症とまでいかなくても男性ホルモンの活性化によって毛深くなったムダ毛にも対応します。なぜかといえば、体毛の濃さに完成しているのは男性ホルモンだと言われているためです。

毛深くなる時、体内では女性ホルモンよりも男性ホルモンの方が活性化しています。通常女性の体内では女性ホルモンが優位になるはずですが、ストレスや内臓異常などによる分泌機能低下が起きると男性ホルモンの方が活発になってしまいます。

閉経後は女性ホルモンの分泌量が閉経前よりかなり少なくなっているため、自然と男性ホルモンの働きが体毛に現れやすくなります。特に髭は分かりやすく、閉経後には女性でも濃い髭が生えたりします。ピルを服用することで女性ホルモンが補われると、そういった現象が抑えられます。

ピルによる効果は、他にもあります。あらゆる疾患の予防にも有用であることが数々の研究によって分かっており、特に子宮体がん・子宮内膜症・卵巣がんなどの発症率を下げることが期待できます。大腸がんやアルツハイマーの発症率も低下するとされ、骨粗しょう症の予防にも取り入れられます。

ニキビ治療薬としての利用は、米国では当たり前になっています。日本ではピルと言えば避妊のイメージが強いようですが、女性ホルモンに関することであれば大方対応できることが明らかにされています。

世の中には、月経痛やPMSがひどくて日常生活に支障が出ている方もいます。そういった時にはピルを使用することで、少しでも日常が過ごしやすくなります。安全性が確立された薬ですので、適切な服用さえ行えれば問題ありません。それに、期待する効果もしっかりと現れます。

月経に関することでは、経血量の正常化による貧血予防も期待できます。ピルは避妊以外にもあらゆる効果が期待できる安全な薬ですので、改善・解消・軽減したいことがあるなら婦人科へ相談してみましょう。