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ピルは子宮体がんや卵巣がんの予防につながるって知ってた?

2020年03月13日
カプセルを口に入れる女性

エストロゲンと黄体ホルモンを含むピルですが、一般的に広く知られているのは避妊作用です。しかし、用法としてはそれだけでありません。効果があると言われている事柄はたくさんありますが、そのうちの1つに女性機能の発病予防があります。

女性機能の病気にもいろいろな種類が存在しますが、ピルに関しては特に子宮内膜症・子宮体がん・卵巣がんの予防や軽減に有効だと言われています。また、女性機能系ではありませんが、近年増加傾向にある大腸がんの発症予防にも効果があるのではないかということも分かっています。

ピルで症状の軽減が図れるとされる子宮内膜症とは、本来あるべき場所である子宮の内側以外の場所に内膜が作られてしまう病気です。子宮内膜は妊娠の場所になるもので、一定の期間中に妊娠しない場合には経血として排出されます。本来は子宮の内側にできるはずのものですが、時に卵巣・卵管・腹腔内・直腸表面などにできることがあります。

子宮内膜は妊娠しない場合は経血として体外に出されますが、他の部位に生じてしまうと排出に困難が生じます。子宮内膜症による痛みの原因は内膜の厚みが本来あるべきでない場所に存在しているからであり、苦痛の程度は人によりかなりのものになります。

そのため、治療では痛み軽減のために鎮痛剤を用いることもあります。しかし鎮痛剤だけでは本来とは違う場所に生じた内膜を何とかすることができないため、内膜の厚みを減らすためにピルを服用します。女性ホルモンの働きがけによって厚みは薄くなり、痛みも進行も軽減されます。

卵巣がんは、排卵機能を持つ卵巣に生じるがんのことです。進行度により、無排卵月経を引き起こします。一般的に多い上皮性卵巣がんの発症率は、ピル服用により40%から50%減少することが分かっています。また、卵巣がんによる死亡率は服用期間が長いほど低下します。

子宮体がん(子宮がん・子宮内膜がん)に関しては、ピルを10年から15年服用することで発症率が50%減少することが明らかになっています。服用をやめた場合でも、30年はその効果が持続すると言われています。がんの中でも比較的罹患者が多く、一般的な症状は膣の異常出血です。

しかし、ピルは5年以上連続して服用すると乳がんの発症率が僅かに上がるという報告もあります。休薬期間があるタイプがほとんどなので過度な心配は要りませんが、気になる方はその辺りも考慮して医師に相談してみると良いでしょう。

大腸がんとの関係については、大腸にあるホルモンレセプターが関わっていると言われています。ホルモンレセプターとは、標的器官や細胞でホルモンと結び付く受容体タンパク質のことです。大腸の中で受容体タンパク質とピルに含まれるホルモンが結合することで、大腸がんの予防率が上がる可能性があるということでしょう。

また、ピルが予防するのは女性機能系の疾患だけではありません。よく言われるのは、骨粗しょう症に対する効果です。骨粗しょう症は加齢により起きるカルシウムの吸収率低下などを原因とした骨密度減少が原因とされ、閉経前後の時期からそのリスクが上昇します。

この作用によって骨粗しょう症の引き金となる骨密度減少を抑制し、骨折リスクも低下させます。年齢と共に骨折は治りにくくなり、療養中の筋力低下も著しいものとなります。そのため、高齢になるにつれて骨折は重大な怪我となり得ます。治療に薬が用いられることもありますが、もちろん生活習慣の見直しも大事であることは忘れないでください。

また、女性ホルモンの作用はにきび治療にも効果を発揮します。にきびの発生には男性ホルモンの活性化が関係しているため、女性ホルモンを体外から補うことで症状が軽減することが分かっています。男性ホルモンの活性化にはストレスの影響がありますが、女性ホルモン作用によりストレス緩和も期待できます。